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2017年4月1日土曜日

付録:充実した雲ライフの実践

「荒木健太郎氏上に発達した『充実した雲ライフ』の実践」

 2017年3月25日(土)に行われたSweet Science vol.8『雲のおはなし』において、講師・荒木健太郎氏上でいくつかの「充実した雲ライフの実践」が観察された。同様の生態に出会う確率は地域差および時間差があるが、これらの模倣と実践が読者各自の雲ライフ充実化に寄与するものと判断し、以下、イベント当日に観察された荒木氏の充実した雲ライフ実践の一端を紹介するものである。


◆気象情報提供の優先
 会場設営直後の講師からの着信履歴に対し、道に迷ったのだろうか、電車が遅延?いや、まさか寝坊か…という不安を抱えて折り返した主催者に対して、「まもなく会場です」や「逗子に着きました」というよりもまず先に「ハロ(日暈)出てます。それだけです。」と伝える。気づいた頭上の大気現象を周囲に優先的に情報提供し見逃させない。
ハロ出てます。それだけです。

◆湿潤断熱変化による雲熱放出
 「今日はビールが飲めるそうなので」と冒頭よりビールを摂取開始するも、周囲の雲愛圧に影響され、飽和状態に達することなく端的で流暢な雲トークにより雲熱を放出する。(雲愛膨張は各構成員により異なるので摂取はビールでなくともよい。)なお飲まないのはなぜかと何度も問いかけ、超絶飲みたいが飲んだら話を聞き逃すという情報の過飽和を恐れる参加者を惑わせることがあるので注意。
湿潤断熱膨張ツール(ソフトドリンク)

◆雲愛声だし確認およびニヤ確認
 当日の天気を説明する際に「巻層雲が出ています」などと言った後、立ち上がってブラインドから空の様子を観察し「出てる…」もしくは「出てます」と声に出して確認する。
 また興味深い大気現象、例えば副虹について語るときは「(主虹と副虹の)色の並びが逆なんですね(ニヤッ)」と微笑んで重要なポイントであることを周囲に伝える。観測事実の検証には必要な基礎行動である。
初学者向けニヤ確認補助ツール

◆雲好きストーキングツール活用
トークの最中、質疑応答において雲を追いかけるためのサイト(雲好きストーキングツール)を活用する。また雪結晶分類表を携帯することも効果的である。今見えている雲や結晶と、以下のサイトの画像などを比較することにより、気象力が飛躍的に向上することは関係機関により立証されている。
・高解像度降水ナウキャスト(レーダーによる現在の雲の様子・目先どうなるかを知るツール)→こちら
・ひまわり8号リアルタイムWeb(衛星からの雲の様子)→こちら
・GPV気象予報(Grid Point Value格子点値の略。天気予報の元となる資料。一般人も数値実験を体験できる)→こちら
・雪結晶分類表(フリガナ付き by荒木氏)→こちら


◆大気現象萌え=備えという認識
 「地震雲は根拠がないといいますが実際のところはどうなのでしょうか」という参加者の問いに対し、「ないです」「雲好きじゃないですね、地震雲好きです」と明確に応答する。
 雲を日々見ている雲好きであれば、一見レアに見える現象もありふれた大気現象や雲であることがわかるものである。大気現象に興奮するのはあくまで観察の一環であり、地震発生の根拠となるものではない。地震をはじめとして災害はいつでも起こりうるので備えることが大切である。
印象的な雲たちだがそれぞれ科学的に説明できる。

◆撮影技術向上努力
 雲に関係する風景があれば、喜んでスマートフォンで写真に撮影する。将来出会うレアな大気現象を見逃さないためにこの基礎技術研鑽は不可欠である。さらに、関東での降雪時に雪結晶データ収集に貢献するために、マクロレンズ装着スマホでの撮影訓練を随時積む必要がある。随時とは、会場到着後「ビニール袋ください」と言って海岸へ行き、砂を採集して黙々と撮影する、などである。雪結晶が観察されない季節には、霜、露、ちりめんモンスターの撮影も技術向上に効果的である。
撮っているのを撮る(参加者による撮影技術向上努力)
マクロレンズ撮影技術向上努力
露活は撮影の美的センスも問われる
ちっさければなんでも撮ってみる
撮ってみる

以上、荒木氏の充実した雲ライフの実践の一端を紹介した。本記事は、読者が部分的にでも模倣しそれぞれの雲ライフ充実化促進を願って、カガクの粒マシタの独断と偏見で書かれたものである。当日の報告と合わせて読むことが望ましい。
 ご意見ご感想はkagakunotsubu@gmail.com までお寄せください。

【参考文献】
『雲の中では何が起こっているのか』(2014年 ベレ出版)

(おわり~)

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